昭和44年 6月1日 
第1号
創刊によせて

緑が目にまばゆく、すべての生命が躍動している快い季節になりました。このすばらしい季節に「心友会だより」が山崎様のご協力により創刊される運びになったことは、大変喜ばしいことと、心から感謝しております。
そもそも私たちの「心友会」は、静も大社の大国主大命を祭祀して真実の信仰に歩む人たちの集まりとして、昭和43年3月18日に発足いたしました。
既成宗教の慣習行事にのみ流れたり、又御利益信仰、加持祈祷信仰にあきたらず、疑問を持った方たちが、真実の信仰を求めているのであります。
「神とは何でしょうか」という疑問が生れて始めて解決が出るのです。神道佛教、キリスト教、その他八百万神が存在していますが、神とは、大宇宙に唯一の全智全能であるところの、目に見えぬ形のないものであり、無限なるものだと思います。そしてそれは決して私たち人間と別個の存在のものでなく、親と子の関係の如く、一つにつながるものであります。
何故ならば、私たち人間の魂=気=心は、形のないものであり、目にみえぬものであり、肉体のどこに存在しているかもわからないものでありながら各人がもっているものであります。それは、神の分霊をさづけられている神の子だからであります。わかり易く申し上げると、私たち人間の魂=心の親であるものが神であります。
故に人は自分の心に神を発見したり、外に神を発見したりして、信仰的自覚を感じていくのです。
独立自尊、自分の理性のみを信じ、自己の判断と行動のみが人生であり、魂を否定し、神を否定して生きていられる方がありますが、人間の理性の限界は、予定通りに人生がはこばないで、思いがけない災難にあったり、肉体条件が伴わなかったり、自己の理性的判断が後に誤りであったりして、予定は未定確定にあらずという人間の限界をそういう方たちも何度か経験している筈です。
だからといって、理性を決して否定するものではありません。理性とは心とは、人間の肉体と精神とを分けられないものであると同じように、切り離せないものです。名前は忘れましたが、ドイツの有名な哲学者が「有限なる人間が、より高き無限なるものを求めることが信仰だ」という意味のことを書いてありますが、真の信仰とは、この様に、哲学的に、又は論理的、道徳的に割り切れるものではないと思います。
有限なる人間がと割り切っておりますが、その有限なる人間のこころは、無限なる神からのわけみたまを持っているのですから、有限なる肉体の中に、無限性を含めているものだということが理性で学問的に解決を出す哲学者には、真の信仰は理解できないものです。そこで私たちは、魂の親である神に対して敬い、感謝し、懺悔しつつ、一歩でもそば近くしたいよる生き方、そして日々の生活の中に「神我と共に有り」という信念が持てることが、真の信仰だと思います。
そこで私たちは、それを実行するにあたって、伊勢の天照大神から、争わず国譲りをされたことを喜ばれて
「うつし世の事 かくれ世の事の魂の祭祀をおまかせいただかれた、大国主神という神に近づいた生き方をなされた人格神を目標とし、取り次ぎをしていただくことによって、自己規制をするという形をとっているのであります。」
ところが、形をとっているという理性的判断あh、愚かしい、傲慢なことであって、大国様を日々祈る心が神のみ心と感応しあうと、そこに理性では判断のできない奇蹟をいただくことが妙であります。
人間が自然のまま、人間らしく生き与えられた仕事に一日一日を悔いなく努力した上は、御心のままにおまかせできる安心感の得られる生活こそ、真の安心立命であります。
そして更に安心立命のできた方は、その喜びをまだ神の存在を知り得ないで悩んでいる方、気の毒な方、病める方たちに分け与えてさし上げる努力をすることです。一人でも多くの方が、自分の心は神のわけにたまであり、神の摂理(自然の法則をも含めて)に叶った生き方をなされるようになれば、争いもなく、日々を感謝で充実した生命力をもった生き方ができます。
信仰とはくどい様ですが、決して死後の安泰を願ったり、人生に負けた気の弱い人の逃避場でもなく、信仰をもつことによって、くめどもつきない生命の源泉を、我が身の内にもっているという感激の自覚のもとに、日々生き抜くファイトになり、他に導き出す愛になり、報いを求めないでいながら、果によって大いなるご加護を、妙なるお力をいただけることだと思います。
真実の信仰に、神に素直にしたいよる心を持った方たちの、皆よき心の友として発足した「心友会」を、又この心友会たよりを豊かに育て、成長させていくこと、即神のみ心につた道だと信じております。
どうぞ皆さまも、ご自分の貴重な体験、ご意見、感想なりをおよせ下さい。個々にお話合いのできない点がこの紙面によって、皆さんの寄稿により、心の友達がより高く、神のおそばに近づかれる誘因になることもあると思います。
せっかく誕生したこの「心友会だより」を愛し、意義を深く認識して、よろしくお願いいたします。
最後に、改めてお骨折り下さいました山崎様に、重ねて感謝申し上げます。


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